経営の力になるデザイン

インタビュー
2026.05.29
クリエイター 手島彰(顔写真)

クリエイター 手島彰さん(顔写真)

企業経営において「デザイン」をどう活用すべきでしょうか?
デザインは単に外観を整えるだけの概念ではなく、本質的な経営課題の解決に寄与する力があります。プロダクトデザインをキャリアの土台としながら、経営的観点からデザイン業務全般を請け負う、Teshima Design Studioの手島彰さんにお話を伺いました。

 

経営の力になるデザインとは

手島さんはもともとスバルのカーデザイナーから経歴をスタートし、その後は規模も業種も異なる数社で、製品デザイン、商品企画、事業開発、3D CADなど多様な業務を担当しました。その経験をもとに、プロダクトデザインだけでなくネーミングやロゴデザイン、コンセプト開発やブランディングなど、企業が抱えるありとあらゆる課題に対応しています。

手島さんの仕事の特徴として、デザインの依頼をきっかけに、依頼内容の外側にあるクライアント自身も気づいていない課題を見つけ出して提案を行い、成果を出すというケースが多いことが挙げられます。製品の外観よりも先に中身の設計の見直しや商品企画の改善が必要と判断することもあれば、会社の体質作りやブランディングから着手したほうがよいと提案することもあります。

一般的に、かっこいい見た目を作ることがデザインだと思われがちですが、むしろ過程や計画こそがデザインだと手島さんは言います。経営の力になるデザインを実現するためには「欠けているピースをどう補うかを、欠けているピースを探すことから含めて依頼を引き受ける」ことが必要です。

そこで不可欠なのが、長期的な視点で考えることです。手島さん自身、いくつかの会社が赤字から復活する過程を内側から見てきて、どう動くと数年後にどうなるのかをある程度予測できるようになりました。その経験を踏まえ、三十年後の未来のために今何をすべきかを考えています。

デザイナーへの発注について

経営の課題をデザイナーに相談するといっても、誰に何を頼めばよいのか、金額がどのくらいかかるのかなどわからない部分も多く、躊躇している方も多いはず。

例えば手島さんは、まず有料の相談を一時間×三回程度行った上で、次の段階へ行くかどうか判断してもらう、という進め方を取ることがあります。方向性、費用感、スケジュールなどの確認ができ、互いにミスマッチを防げるという理由からです。

スタートアップや小規模事業者には「デザインの町医者」として、中規模事業者には「あなたの会社のデザイン部長」として、自身でデザインまで行うのか、適切なパートナーを紹介するのかも含め、総合的に検討し、提案します。

また、いくつかの企業とは顧問契約のような形で、経営者や各部門の担当者と定期的に面談を行っています。そうすることで、製品やブランドのことはもちろん、ホームページや作業服のデザイン、営業車のカラーリングデザイン、食堂や休憩室の改善などあらゆることが話題になり、課題が見えてきます。その中から優先順位を決めて、できることから取り組んでいくと、徐々に会社のブランド作りやイメージ作り、働く環境作りが整い、成果の出る確率が高まっていきます。

デザインには本来、経営活動全体に価値を提供する力がある。そのことを、実践を通して伝えていきたいと手島さんは考えています。

事例1)展示会出展ブースデザインおよび監修 JIMTOF2024展示会出展ブースデザインおよび監修,実施設計:株式会社工芸社(2024年/関東精機株式会社)

事例1)展示会出展ブースデザインおよび監修 JIMTOF2024展示会出展ブースデザインおよび監修,実施設計:株式会社工芸社(2024年/関東精機株式会社)

事例2)車両のカラーリングデザイン 工場間の連絡車にEVを導入する際に、企業ロゴ、主力商品ロゴ、環境対応商品ロゴマークを用い、地域への環境対応企業PRとして活用(2024年/関東精機株式会社)

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