まちごと屋は2013年に高崎市で創業。空き家の建物所有者と利用者とをつなぐマッチングサービスや、シェアリビング、レンタルスペースの運営をしています。代表取締役の大澤博史さんは、本業でイベント企画やブランディングを行う会社を経営しながら、まちごと屋の活動をしています。
まちごと屋が大切にしているのは、ただマッチングさせるだけではなく、建物所有者と利用者の信頼関係を構築すること。双方が幸せでいられるよう、間に入って丁寧に関係性をつくっていきます。「まちに眠る魅力ある建物」は、不動産市場には出ていないことが多いため、大澤さん達が実際にまちを歩きながら見つけ、所有者に協力してもらえるよう手紙や対面でコミュニケーションを取って、1件ずつ調整。「貸したいけど揉めたことがあり、二の足を踏んでしまう」という所有者の場合は、利用希望者の人柄や事業内容を精査をしたり、契約形態を工夫することも。荷物整理やリノベーションの相談に乗ったり、ときには一緒になってDIYで工事をすることもあります。
特に力を入れているエリアは、高崎駅から徒歩20分ほどの場所にある本町(もとまち)通り周辺。賃料が上がっている高崎駅周辺エリアに比べて賃料も安く、不動産市場での引き合いも少ないことから、自分たちがやる意義があると感じたそう。エリアを広げすぎてしまうと地域の盛り上がりが見えづらくなってしまうため、今は本町通り周辺に絞って地域活性に取り組んでいます。
マッチングさせた事例は、カフェや焼き菓子店、カレー店、ビール醸造所、ライフスタイルショップなど多数。2018年に伊東屋珈琲 高崎店が入居したのは、大正時代からある町屋造りの調剤薬局だった場所です。当時使われていた薬箪笥を店舗什器として活用したユニークなカフェが生まれました。
運営している「本町しもたや」は、会員制シェアリビングです。会員であれば、30畳ほどの空間を自分の居場所として24時間365日自由に使うことが可能。勉強や仕事、読書をしてもいいし、食事や飲酒をすることもできます。大正時代の民家を活用したレンタルスペース「NAKAKONYA」は、大きなウッドデッキのある中庭が特徴的で、マルシェや貸切パーティーなどに使われています。菓子製造所としての営業許可を取得したキッチンもあり、イベント出店用のためのお菓子の製造所としても利用可能。まちを消費するだけでなく「まちを主体的に使う」プレイヤーの創出を目指しています。
・2021年グッドデザイン賞受賞
・空き家を活用した新たな価値創出
・「まちの使い手」を増やすことによる地域活性
・サブスク方式のシェアサービスの展開