

銘仙茶の開発は、伊勢崎市の日本茶専門店の女将である茂木宏美さんが、伊勢崎銘仙(以下、銘仙)に魅せられたことから始まりました。
かつて世の女性達を魅了し一世風靡した銘仙の魅力が忘れ去られ埋もれているように感じ、自社の日本茶パッケージに用いることで、商品を目にした人が銘仙の魅力に気づいて購入し、伊勢崎の手土産を通して銘仙が全国に再び知られることを目指しました。また若い世代や日本茶を普段飲まない層が、気軽に手に取りやすい可愛らしいパッケージがきっかけとなり、日本茶文化の継承にもつながるだろうという思いもありました。
商品開発を進めるにあたり、まず銘仙プランナー・金井珠代氏に相談し、銘仙に詳しいデザイナーを数名紹介してもらいます。そして銘仙をアップサイクルしたアパレルの事業化を始めていた、当時まだ大学生だった村上采さんの起用を決めます。村上さん自身が茂木さんの考える銘仙茶のターゲットであったことや、村上さんのインスタグラムが茂木さんの感性に合っていたことも決め手だったとのことです。また伊勢崎出身の若い村上さんを応援したいという気持ちや、村上さんが活動を拡げることで、伊勢崎と銘仙の知名度も上がっていくだろうという期待もありました。
茂木さんから、
といった基本的な方向性が村上さんに伝えられました。
それを受けて村上さんから「ライフスタイルに寄り添う銘仙茶」という商品コンセプトが提案されました。また誰かにあげるギフト用だけでなく、自分へのご褒美(ご自愛)としての商品という性格も付加されました。このコンセプトのもと、“01朝・爽やかな煎茶”、“02仕事に集中・きりっと強火煎茶”、“03ほっと一息・香ばしい玄米茶”、“04おやつの時間・軽食にあう和の紅茶”、“05夜・香り高いほうじ茶”という、1日のシチュエーションを設定して、若い世代とテイスティングをしながら茶葉を決め、それぞれのお茶に合う銘仙柄を選び、1年弱で商品を完成させました。また個別のティーバッグの包装とは別に、本物の銘仙を用いた銘仙袋も用意することで商品の価値を高めるとともに、銘仙に触れる機会も作りました。
現在は茂木園での店頭販売とオンライン販売が中心ですが、今後は販路を拡大して伊勢崎を代表するギフト商品に育てていきたいと考えています。